山人が旭岳の頂上に初めて立った、小学校5年生のとき旭岳の標高は2,290mでした。
2008年の国土地理院による再測量で2,291mとなりました。
私たちの視点から山が変化していると感じることは難しいことかもしれませんが、
旭岳はその昔、山体崩壊と沈静化を繰り返しました。現在の山頂は当時の山の側面だったといいます。
約600 年前に起こったと考えられる大規模な山体崩壊で現在の地獄谷ができたともいわれています。人間からすると、600年は途方もない年月です。それゆえ山人の短い人生の中で、再測量で標高が書き換えられました。一見動いていない山も、変化していることを感じさせてくれる出来事でした。旭岳の呼び名にも歴史があり、山塊を称した呼び名や山頂を称した呼び名が混在していた時期があったことが分かります。
旭岳を目指す方の目的は、それぞれ異なると思います。山頂を目指す方、百名山の一座を記録したい方、野鳥が見たい方、お花畑を楽しみたい方、などなど・・・「旭岳」には、たくさんの楽しみ方があります。ぜひ「旭岳」を体験してみてください。
【旭岳には「一等三角点」があります】
点名:瓊多窟(ぬったく)といいます。
「ぬったく」はアイヌの「ヌタクカムシュッペ(ヌタク=高原、カムシュッペ=神のいる所などの意)」から命名されたようです。
紅葉の最も早く始まる山、パウダースノーが楽しめゴールデンウィーク明けでもスキーやスノーボードができる山。そんな華々しく人気の高い、黒岳です。
自然の素晴らしさを理屈抜きに楽しむことも良いと思います。また、大雪山の創造の歴史も魅力的です。この周辺の山々にも歴史があり、北海道で2番目の標高の北鎮岳の名前の由来から何があったのか…チャンスがあれば皆さんにお話ししたいと思います。黒岳にはたくさんの高山植物や、ナキウサギの生息地としても有名です。朝早くから物音をたてないように、カメラを抱えた登山者を見ることができます(そんな人を見かけたら、鈴の音を消して、静かに通り過ぎてくださいね!何時間も待っていたら申し訳けないので)。
【三角点について】
黒岳には三等三角点があります。「点名:温泉岳」なのですが、三角点のある場所は地盤崩壊のため立ち入り禁止となっているようです。残念ですが確認することはできません。
マスコミの過剰な報道の影響でしょうか…お客さまの関心(恐怖心)がヒグマに向けられているようです。
「ヒグマはいますか?」
「ヒグマにあったことありますか?」
と言ったご質問を良く受けます。どちらも答えは「はい」です。
大雪山は野生動物が暮らしています。国立公園となっていますが、私たちが暮らす生活圏の公園とは異なります。大雪山にはエゾシマリスもいれば、エゾユキウサギ、オコジョ、フクロウ、エゾシカ、ナキウサギ… ヒグマもいます。
当たり前のことですが、ヒグマは(全ての野生動物は)「食べる」ことが生きる上で重要な働きとなります。ただ人間とは異なり、餌場は自由気ままに徘徊できるわけではなく、私たち人間には見えない縄張りがあり、特定の個体が特定の場所で生活をすることが確認できます。
ヒグマの生活圏に入りますので、ヒグマの存在を肌で感じながら、行動を考えていくことが大切と考えています。
ヒグマが来てほしくないと思えば「ガルルルル」と唸り声を発します(2026年某所にて笹薮の中から、ヒグマと思われる獣に唸られたため静かにその場を離れる。以降唸られたり、追われたりはしていない[山人の実体験より])。

新芽を夢中で食べて、どんどんテント場へ近づいてくる成獣のヒグマ。人間に近づいたことに気づいたのか、宙を仰ぐようにニオイを確認して、その場から遠ざかる、夜に近づいてくることもなかった(2025年某所の野営指定地にて[山人の実体験より])。
ヒグマを追っ払って安全に登山をするコンセプトで作られた商品が売られていますが、
「追っ払う」という考え方の前に、
「関心をもたれない」
配慮があればと思わされます。
山人は「ヒグマを追っ払う商品は、心を強くするためのお守りのようなもの」と考えています。人間が山で好き勝手に振舞い、自然の中で暮らす動物を脅かさないことを願うばかりです。
【例えば】人間に関心を示していないヒグマに人間側から近づいて、熊スプレーを噴射
…山人も出会わない努力をしていますが、何度も出会っています。 それでも悲劇に見舞われていないのは、ヒグマに関心をもたれない距離感があるからだと感じます。ヒグマの好きな食べ物の有無を確認、食べ跡や糞、足跡の有無にアンテナを張りながら歩きます。
ニオイ、山を荒らす行為、動物を驚かす行為…人間の痕跡を残さないよう努めています。それは、人間が進化するように、動物たちも進化(学習)するからです。みなさんが動物たちに関心をもたれないように、大雪山を楽しめますように。
↓ ヒグマの存在にアンテナを張っていると…こんなモノが見えてきますよ
▼ヒグマの爪痕を感じる~古い爪痕を見れるか否か

▼ヒグマの噛み跡(ヒグマが噛むところを見たわけでありませんが、標柱を噛みきるような動物が他に考えられないことから、そのように判断)


▼ヒグマはハイマツの実も食べることが分かります


▼フレッシュなヒグマの糞は、一目瞭然です。しかし古い糞は雨水や風に晒され同化していくため見落としやすくなります。食べ跡の周囲に複数回、足を運んでいるか否かを確認する重要な痕跡となりますので、山人は見逃さないように注意を払います。

山人の目には、同化されていく糞の形跡に見えています。…消化しきれなかったハイマツの実の皮や、ハイマツの実を食いちぎったときに、一緒に口に入れたハイマツの葉が確認できます。そして、その周囲のハイマツ帯には、フレッシュな食い跡が多数あり、山人の目の高さほどの食い跡もあることから、成獣の個体の餌場となっていることを連想させます。

【補足】
山人はこの場所に、暗い時間帯(日の出前の早朝、夕暮れどき)は近づきません。
また、この場所に長居をしたり、人間の痕跡を残す行為はしません。
ヒグマの食事を妨げない、せめてもの配慮です。
※山人はナイトハイクはしません。夜行性の動物たちが夜にしっかり行動して、日中は隠れていて欲しいと思っているからです。動物たちからすれば、得体の知れない「あかり」で夜まで人間に生活を搔き乱されたら、迷惑だと思うから、夜は星空を眺めるか、テントで寝ると決めています。
| 山名 | 標高(およそ) | 緯度(およそ) | 経度(およそ) | 登山道 | 三角点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 旭岳 | 2,291m | 北緯 43度39分49秒 | 東経 142度51分15秒 | あり | 一等三角点 瓊多窟(ぬたっく) |
| 大雪山旭岳ロープウェイ山麓駅 | 1,100m | 北緯 43度39分43秒 | 東経 142度49分29秒 | あり(起点) | |
| 姿見の池(東) | 1,608m | 北緯 43度39分66秒 | 東経 142度49分62秒 | あり | |
| 熊ヶ岳 | 2,210m | 北緯43度39分45秒 | 東経142度49分31秒 | なし | 三等三角点 熊ヶ岳 |
| 後旭岳 | 2,216m | 北緯 43度39分26秒 | 東経 142度50分56秒 | なし | なし |
| 間宮岳 | 2,185m | 北緯 43度40分20秒 | 東経 142度52分20秒 | 縦走路 | なし |
| 中岳分岐 | 2,080m | 北緯 43度39分40秒 | 東経 142度52分20秒 | 分岐路 | |
| 中岳温泉 | 1,800m | 北緯43度40分54秒 | 東経142度51分40秒 | あり | |
| 裾合平 | 1,709m | 北緯 43度40分37秒 | 東経 142度50分26秒 | 分岐路 | |
| 黒岳 | 1,984m | 北緯43度41分49秒 | 東経142度49分36秒 | あり | 三等三角点 温泉岳 |
| 黒岳ロープウェイ山麓駅 | 670m | 北緯43度43分08秒 | 東経142度56分48秒 | あり(起点) | |
| 黒岳ロープウェイ黒岳駅 | 1,300m | 北緯43度43分28秒 | 東経142度56分47秒 | あり | |
| 黒岳ペアリフト7合目駅 | 1,520m | 北緯43度42分12秒 | 東経142度55分36秒 | あり | |
| 桂月岳 | 1,938m | 北緯 43 度 39 分 40 秒 | 東経 142 度 50 分 06 秒 | あり | なし |
| お鉢平展望台 | 2,020m | 北緯43度41分15秒 | 東経142度53分24秒 | あり | |
| 永山岳 | 2,046m | 北緯 43度41分58秒 | 東経 142度50分53秒 | あり | |
| 国立峰 | 2,143m | 北緯43度41分55秒 | 東経142度51分13秒 | なし(不明瞭) | |
| 安足間岳 | 2,194m | 北緯43度41分51秒 | 東経142度51分24秒 | あり(地点不明瞭) | |
| 比布岳 | 2,197m | 北緯 43度41分56秒 | 東経142度51分47秒 | あり | 三等三角点 三方崩 |
| 愛別岳 | 2,113m | 北緯 43度42分27秒 | 東経142度51分25秒 | あり(バリエーションルート) | 三等三角点 愛別山 |
| 当麻岳 | 2,076m | 北緯 43度41分40秒 | 東経142度50分57秒 | あり(地点不明瞭) | |
| 当麻乗越 | 1,690m | 北緯43度41分19秒 | 東経142度49分48秒 | あり | |
| 1591 ※無名峰 | 1,591m | 北緯43度41分20秒 | 東経142度49分2秒 | あり | |
| 愛山溪温泉 | 1,000m | 北緯43度43分10秒 | 東経142度48分55秒 | あり(起点) |

山人はガイド業務に重点を置いて、お客さまを大雪山にご案内していますので、限られた場面で、スマホなどの山行の妨げにならない機材で撮りますことをお許しください。できることは惜しみなく…お客さまの想い出づくりを応援します。
↓ ご覧になりたい山のタイトルをクリック
















食中毒の問題は登山であまり聞きませんが、夏場のおにぎりはイタミやすいので、
注意しなければなりません。梅干しだから大丈夫・・・いえ大丈夫ではありません。
ザックの取り出しやすく、熱くなるようなところに置いた日には、イタミます。
それを昼に食べずに、下山して食べたり、夜に食べたりは・・・やめましょう。
私がおにぎりをもっていくときは、ハイドレーションの水(半分氷)にくっつけて、
冷え冷えの状態で持っていきます。コンビニで、おにぎりを買っても同じです。
魚肉ソーセージや真空パックの羊羹、カロリーメイト、ゼリー系のアミノ酸で
昼食や間食は補っています。1泊するようなときは、袋麺と汁を吸わせて廃棄物を
出さないように、オートミールを残り汁に吸わせて食べています。(朝も同じ)
食品でニオイのするものは、ジップロックに入れて持ち運びをしています。
トイレは我慢しないでください。「正直、言いずらいです。」
それでも、勇気を振り絞ってガイドに言ってくださいね!
トイレを我慢することで、登山のリズムが壊れてしまうんですよ。
私はガイドなので、実はお客さまを優先して
自分のトイレを我慢してしまうことが度々ありました。
トイレを我慢している状態だと、水分を控えたり、
行動食も喉を通らなくなったり…
たまたま無事に下山できたら良かったのですが、
登山で、水分補給や行動食の摂取が滞るのは、
ケガや事故の大きなリスクなのです。
ですのでガイドの私も、我慢せず「トイレします!」
携帯トイレはガイドが持っていますので、
持ってなくても、我慢しないのが大事ですよ。
いっぱいあって、読むの大変ですが「命を守る行動」とご理解ください。
ガイトはお客さまと声の届く位置をキープして歩きますので、ちょっと後ろくらいを歩くとベストです。
まずはガイドの背中に、身を隠しましょう。ヒグマに背を向けて走って逃げたり、大声をあげないようにしてください。写真を撮りたくなる方もいますが、ここは我慢してくださいね!人馴れする行為を、学習してしまった熊の個体にあたった場合、撮影する行為がヒグマの警戒心を失わせ、人間に関心が向けられる可能性がります。ヒグマにも、人を警戒して出会わないようにしてもらえるように努めてくださいね。
ヒグマの嗅覚は犬の数倍から数十倍、人間と比べると数1000倍です。数10キロメートル先にある食べ物や腐敗臭を嗅ぎ分け、土の中に隠された獲物も正確に探り当てることができます。カバンの中に、美味しそうなニオイがするお弁当なんて入ってたら、「食べに来て」と言っているのと一緒なんですね。ですので、
ニオイのする食べ物を控える、ゴミは全てジップロックに入れて、野外に落とさないように注意します。
ヒグマに興味をもたれては大変です。私たち登山者は、ヒグマに嫌われるくらいで良いのです。
山人は山で着る衣類も、ニオイが残らない粉せっけんを使っています。今は芳香剤入りの洗剤が多いですが、山に行くときは、芳香剤は必要ありません。
これは全部、自分の存在がアピールできなくなることの注意を呼び掛けています。弊社のガイドツアーでは、誰か1人が取り残される、1人で山道を歩くといったことがあるとしたら、不測の事態が起きたときです。通常は考えられませんが、一時的にでもこのような場面に遭遇したら、「熊鈴、笛、ラジオ、ヘッドライト、鳴り物がなければ、声を出したり、手をたたいたり…」覚えておいてくださいね。
お手洗いやフリータイム時は、所定の場所の範囲で自由にお楽しみいただき、山行するときはガイドと一緒にいることで、安心と安全を担保するくらいの気持ちでいてくださいね。